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第16回愛鱗会インドネシアNo, 1錦鯉品評会②
2016年05月19日 (木) 23:37 | 編集
終日晴れ間に恵まれた魚沼。今日は作業中にタオルが手放せない程の暑さになりました。


さて、今回も引き続きインドネシアはバンドン現地レポートをお届けしていこうと思います。


品評会の翌日は市内の愛好家さんやバンドン近郊の養鯉場を案内して頂きました。写真は


一件目に訪問させて頂いた愛好家さんの庭池。当然現地でもそれぞれ楽しみ方が異なり、


この方は日本に預けている鯉以外は手元に数を置かず、本当に気に入った鯉に限定して


鯉を飼育しているというスタイルでした。飼育水は水温・PHなどすべて機械管理されており


鯉の状態は良好。この他に訪問させて頂いた池も仕組み自体は大体この様な感じでした。


ここには普通に体長89cmの銀鱗落ち葉が泳いでましたね。良い鯉を見せて頂きました…。

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次に案内して頂いたのがバンドンにあるサムライコイセンターさん。第44回の全日本錦鯉


総合品評会で全体総合優勝に輝いた紅白、あのM・レジェンドを取り扱った業者さんです。


前から機会があれば拝見してみたいと思っていたので今回は念願叶いましたね~(^^

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こちらがメイン生簀です。アジアカップのチャンピオン鯉やオールインドネシア品評会の


優勝鯉などを見せて頂きました。ここぞとばかりに現地での鯉の質の変化など色々と


質問させて頂きましたが、印象に残ったのは浅黄に関して。現地に日本の青い浅黄を


持ってくると体色が少し薄くなるんだよね~という話。頭の色もやや白く抜けるそうです。


水温は通年で23℃固定だそうですので、水との相性?いずれにせよ興味深いですね。

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最後に訪問させて頂いたのが話に出たM・レジェンド(現地ではMuran Legend)を


所有されていた愛好家さんのお宅。つまり第44回全日本の全体総合優勝者という事に


なりますね。何とも気さくな方で錦鯉以外にも盆栽や日本茶など様々な話を聞かせて


下さいましたが、ここでは特にインドネシア国内での錦鯉生産に関して興味深い話を


聞く事が出来ました。右に写っているのが私です。なんか良い笑顔してますね…(^^



こちらがその試みを紹介した記事。内容は愛好家さんが所有している日本産の鯉で


仔取りした卵を、インドネシア国内各地の養鯉場に無償で配布するというものでした。


病気等の問題はあるかと思いますが、これならば質の高い親鯉を買う事の出来ない


小さな養鯉場でも日本産の銘鯉の血統が手に入り、現地に合わせた飼育の方法を


研究する事が出来ます。趣味の範囲の話ですが、かなり即効性のある試みですね。

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上の記事のメスの仔かどうかはわかりませんが、そうして作られた当歳と思われる


鯉がこちらの記事です。画質もあまり良くないのであくまでパッと見の印象ですが、


十分に見れる鯉になってますよね。こうした鯉は現在はまだ市場の本流になる程の


評価は受けていない様ですが、インドネシアをはじめとする一年中が常夏の気候の


アジア圏では鯉に関するすべての事が日本の4倍の速さで時間が進んでいきます。


子取りも一年中出来ますし、鯉が4倍早く育つので一世代毎のサイクルも早いです。


仮に今後10年経ったとすると、現地では日本の40年分のノウハウが蓄積される事に


なります。似た様な気象条件の諸外国も同様です。これだけの時間があれば、技術


水準・商品の品質が日本産に限りなく近づくのもそれ程に遠い話では無いですよね。

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既に安価な鯉から国際間での市場競争が始まっていますが、今後はそのランクが


更に上がり、最終的には独自の優れた品種を作出する養鯉場が世界各地に出現


するハズです。これまでは三色なら日本の○○養鯉場産、昭和は△△養鯉場産、


だったのが今後は三色は日本の○○養鯉場、昭和は中国の△△養鯉場、紅白は


インドネシアの△△コイファーム、変わり鯉はイスラエルの□□コイファームの様な、


錦鯉が本当の意味で世界の観賞魚になるとこんな感じになるんじゃないでしょうか。


あくまで個人的な予想ですので、実際は私が思う程に技術水準は変わらず錦鯉の


中心地は相変わらず日本という一展開も同じく予想されますが、少なくとも日本に


居る限り鯉は新たな手を一手打っても結果が出るまで3~4年掛かる訳ですから、


諸外国とのスピード差というのは頭の片隅に置いておく必要はありそうですよね。


品質の拮抗した近未来でジャパンブランドをどう演出するかが今後の課題ですか。


今回は旅の道中ずっとそんな事ばっかり考えてました。いや、真面目か、俺…笑。

ドイツの旅 ①
2015年09月04日 (金) 23:21 | 編集
突然の大雨に見舞われている魚沼。大粒の雨が窓枠や屋根を凄まじい勢いで叩いています。


これ程の降り方は今年に入って初めてです。野池の水口、止めて無いんだけど大丈夫かな…。


さて、今日は浅黄の野池で三選を行い作業としては順調に進んでいるのですが、連日似た様な


内容で記事を書いても仕方無いので今回は先日行ってきたドイツの模様をお伝えしてみようと


思います。今回はフランクフルトから制限速度無しのアウトバーンを車で飛ばして三時間程の


距離にある(気付いたらスイスとの国境付近でした。道中は一体何キロ出してたんだか…笑)


シュベニンゲンで行われた品評会会場の様子が中心です。ここでドイツ錦鯉振興会主催の


品評会を行うのは今回が初との事でしたが、かなり立派な展示場が会場でした。凄い予算。



出品鯉の大半は日本から輸出された鯉でした。賞暦のある鯉も数多く見られましたよ~。

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展示場内はがっしりとしたフレームで区切られたブースごとに餌や設備、錦鯉そのものを売る


現地企業が所狭しと並んでました。二日間の品評会のためだけにこれだけしっかりした店舗を


組むのはかなり大変だと思うのですが…。国民性もあるのか全て時間通りに開いてましたね。

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ここでも盆栽の展示はセット。やはり海外では鯉の品評会=ジャパンフェア的な催し物として


イベントが行われる事が多いですね。日本人の庭師の方に色々とお話を伺う事が出来ました。

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会場内で多く目立ったのは餌の販売ブースでしたが、それと同じくらいの面積を占めたのが


こうした濾過設備や器具などのブース。実際に水を入れて稼動させている所も多く、種類も


まとめて見れるので多くの人が足を止めて担当の方と話をしてました。勉強になりましたよ。

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日本未発売のスマホのアプリと連動して水質検査が出来るキット。面白いアイデアですよね。

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個人的に毎回注意深くチェックしているのが現地生産された錦鯉。この生産者はカナダから


鯉の稚魚?を輸入して生簀だけでここまで育てて販売しているとの事でした。これまでにも


何カ国かで現地生産された鯉を見てきましたが、どの国にも平均共通するのがドイツ系統と


変わり物系統の質はどの国にも高い鯉が居ますね。張り分け、九紋竜、落ち葉、秋翠などは


日本産の鯉と比べても遜色無いくらいの質の鯉が居るんですよ、これが。実際焦りますよね。


錦鯉の品質は土質・水質などが強く影響するので、生産技術的な水準がある程度世界中で


整ってくると将来的にはこの品種は日本産、あの品種ならドイツ産という具合に品種ごとの


世界マップの様な物が今後形作られていくのかもしれません。日本産の錦鯉の強みは一体


どこにあるのか?その良さをどうやって産地間競争の中で世界に向けて伝えていくのか…?


まだまだ考えるべき事は多いです。今は多くを見て学ぼうと思います。それではまた次回に。

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ガチャガチャの話
2013年02月17日 (日) 22:05 | 編集
夕方頃の事。必要な物を置きに写真展の会場に行ってきたのですが、何やら写真の販売に


関する問い合わせがいくつか入っているとのお話がありました。蛙にご縁を頂いただけでも


自分としては正直結構驚いたんですが、なんてありがたい事なんでしょうか。嬉しいですね。


同時にこの辺りの事を事前に整備していなかった事に深く反省。急いで諸々用意せねば…。


さて、今回は普段と少し趣向を変えて(まぁ私の場合はそれ程変わらない様な気もしますが)


出掛けた店先で偶然こんな物を見つけたのでそれについて記事を書いてみようと思います。
(※今回はやたら長めの文章になりました。逸れた話程に筆が早いのは何故なんだか…笑)



「恋する?!恋・鯉ストラップ」中々に思い切ったネーミングで勝負したもんだ…と感心しました。


加えて模様等もしっかり作りこまれていてクオリティも十分。品評会に出せそうな程でしたよ。


実際に恋と鯉というのは音が同じなので、私の場合人と飲んでいると「ねー鯉バナしてよ 笑」


などと言った風に揶揄される事が多いです。これは言わゆる鯉屋あるあるだと思うのですが。


閑話休題。以前から不思議に感じていたのですが、これだけ世間に数多の緩キャラや萌え


キャラ、果てはキモキャラなどのカテゴリが存在するにも関わらず、錦鯉に関してはこういう


直接的な形を模したグッズ展開が多いのは何故なんでしょうかね。メーカーとしてはもちろん


現在「既に」鯉好きな人に向けた商品を作るのでこういう形に落ち着きやすいんでしょうけど、


生産の側に立つ人間の一人としてはひとつくらいエッジの効いた、ひこにゃんやら豆芝やら、


そういう少し既存を外した視点からの提案があってもいいんじゃないかと思うんですけどね。


緩キャラでもなんでもいいんですが、錦鯉となんら接点の無いエリアで過ごす人達に対して


そういうのを提案した時にどういう反応があるのかって凄く興味がありますし、業界としても


新規ユーザーの継続的な獲得は必須事項な訳ですから、そういう角度からの働きかけ方を


しても面白いんじゃないかと思うんですが。何であれ鯉という物への入り口を作る意味では。


まぁ、それだとそもそも錦鯉をモチーフにする必然性が無くなるので難しいとは思うんですが、


一度くらい鯉キャラ達が世間を席巻している光景を見たいと思うのは私だけでしょうかね (^^;


ま、誰もやらないなら自分でやる事になるのか。鯉にゃんとか?字面は可愛いけどなぁ 笑


ちなみに回したらば出てきたのは紅白(大)。「恋愛運がパワーアップするかも!?」…ねぇ…。

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為替と錦鯉
2012年12月19日 (水) 21:59 | 編集
夜になり再び雪が強くなってきました。この分だと結構積もりそうですね。また除雪しなきゃ。

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今回はいつも拝見させて頂いている方のブログやニュースを見ていて「おっ?」と思った事が


あったので少しトーンを変えて記事をお届けしてみたいと思います。一体何の話かと言えば


大本の記事は先日の選挙後から日本の株価が急上昇しているという内容だったんですが、


その中で円高続きだった為替レートが円安側に振れて来ているという話が出ていたんです。
(※日々のニュースなどで知ってはいましたが、最近の相場の動き方は物凄いらしいです)


FXなどをやられている方にしてみれば何を今更と言った所でしょうが、実はこの為替レート、


今や世界中に鯉を輸出している錦鯉業界にとっても物凄~く影響の大きい指数なんですよ。


(※本日までの円・ドル為替レートと株価チャート。クリックで拡大するのでご参考までに。)
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実際に海外から日本へ買い付けに来たバイヤーの方から話を聞くと、最近は円が強過ぎて


鯉の代金から滞在費や輸送費、とにかくこれまで以上に経費が掛かってしまうという話題が


多く聞かれます。自国の通貨が強くて困るというのも何だか妙な話なんですが、こうなると


怖いのがいわば鯉の日本産離れ。この頃は中国、アメリカ、ヨーロッパに加えマレーシアや


インドネシアなどのアジア圏でも錦鯉の生産が盛んになってきているので、これまで日本の


専売特許だった錦鯉に次から次へとライバルが出現している様な状態になってきています。


競争に晒されてこそ質の高い物が出来上がるというのは物作りの本質なのである意味では


喜ぶべき事なんでしょうが、生産者としてはこれまで以上に他の鯉との差別化を行う必要が


出てくるのは間違い無いんですよね。自分の何を武器として闘うか、知恵を絞らなきゃな~。



ありのままに…が難しい。
2012年12月03日 (月) 22:09 | 編集
今日は明日の出荷作業の準備を簡単に済ませた後は先日と同様に撮影した写真データの


整理をしていたんですが、せっかくなら実際に撮った時の撮影環境や色味の違いでどれ程


鯉の印象が変わるのかを見て頂ければと思いまして、休憩がてらに同じ鯉の写真を使って


四枚ほど異なる画像をご用意してみました。今回実験に使ったのは先日の記事にも載せた


腹ビレがねじれている事がわかり残念ながらお蔵入りとなってしまったこの鯉の写真です。

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左側がほぼ撮影時のままの状態なんですが、そこからコントラストを強く補正したのが右の


写真です。全体的に紅や肌の白地が強調されてこうなると受ける印象が全く違いますよね。


ちなみに同じ鯉を別の日に撮ったのが左下の写真なんですが、こちらは全体的な色味が


やけにオレンジ色っぽくなっています。その理由はこの日の天気が青天だった事に加えて


この鯉を撮っていた時に強い西日が射したんです。その結果、使用しているカメラや容器は


同じなのにこれだけ違う仕上がりになってしまったんですね。こうなると後でどんな補正を


掛けても右下の様に更に不自然になるだけで実物とは全く違う鯉になってしまうんですよ。


写真写りは当然悪いよりは良い方がいいんですが、あまりに写真が良過ぎるといざ手元で


実物を見た時に誰だってガッカリしますよね。そのため色味や写り具合というのはどうしても


神経質になる所なんですよ。対象をありのままに撮る、簡単そうでこれが難しいんだよな~。

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